PLLを理解したい(近傍特性、フィードバック) その2

1.近傍特性

搬送波の近傍のスペクトルを、いいます。

MATH

搬送波の近傍には、位相雑音の他に、近傍スプリアスと言うものが観測されます。

近傍スプリアスの内、周期的に現れるものがあります。

上記の観測結果の場合、赤丸で囲んだ部分が、それにあたります。

これは、その周波数(搬送波から、約55KHz離れている)から、

PLLの位相の比較周波数の漏れと、思われます。

(つまり、搬送波は、位相比較周波数で、変調されとる、ということになります。

やっぱり、ループフィルタを、正しく設計せな、あきませんね。)

 

観測結果には、不規則なスプリアスも観測されています。

これは、PLLの、何処かから拾ったものですが、よく、判りません。

「左右対象になっていない場合は位相変調と振幅変調とが同時に生じている時です。」

http://www3.ocn.ne.jp/~sugai/pll/pll3.htm から引用。ありがとうございます。)

 

ええかげんな電源のデッカプリング、空中配線の結果だと思います。

下の写真は、VCOの制御電圧の、交流成分を観測したものです。

MATH

VCO制御電圧のDC成分を、5Vとすると

$\vspace{1pt}$最大の交流成分は

MATH dB

に、なります。

(10倍しているのは、スペアナに1:10のプローブを通して繋いでいるからです。)

交流成分を、全て合計すれば、かなりの数値になると、思われます。

やっぱし、ループフィルタを、ちゃんと設計せんと、あきません。

2.フィードバック

MATH

PLLもフィードバックを使っています。

そこで、まず、フィードバックの一般式を考えましょう。

フィードバックがない場合

MATH

フィードバックがない場合のゲインを、オープンループゲインと言います。

この時

MATH

の関係があります。

同じゲイン、Hoを持つアンプに、帰還をかけますと

MATH

今、出力の全部Voutを、入力に戻すと

アンプの入力は

Vin−Vout

であり、出力は、やっぱり

Vout

です。

そうすると、帰還した場合の、アンプのゲイン(クローズドゲイン)Hは

(1)式の関係を使って

MATH

と、求まります。

負帰還やったら

HoMATH

正帰還やったら

HoMATH

となります。

次回は、いよいよ、PLLの仕組みを調べてゆきます。

H.15.04.11

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