たたみ込みするとは、どう言う意味?


1.離散的な信号やったら、「なんでも来い!」

前節では、たたみ込み( convolution )の仕方を、おさらいしました。

数式で表現しますと離散的な出力y(n)は、インパルス応答hが、h|1-1|の2つしか、ないとすると

MATH

覚え方は、「シグマするのは、インパルス応答の要素数分だけと、いう事になります。私は、ほんに、忘れやすい性質なんですわ...

では、この、たたみ込みとは、どんな意味を持つのでしょうか?

この辺りを、触ってみましょう。

それには、先ず、任意の離散的入力信号を、どうやって表現するか?

前節の例で、いきますと、入力


MATH


でしたから、これを、デルタ δを、使って表現しますと、入力が、1つの式に、まとめられます。


MATH

だって、単位インパルス$\delta (t)\quad $は、

MATH

なんやから

MATH


と、なって、δ(t)の中身がゼロの時だけ、1に、なります。

したがって

MATH

一般式にすると

MATH

これで、任意の、離散的な入力信号は、上式で表現される事に、なりますね。

この式さえあれば、

離散的な信号やったら、「なんでも来い!」状態に、なりますね!

2.線形時不変システム

線形とは、入力xをa倍すれば、出力yも、a倍され、また、複数の信号を足し合わせて入力しても、出力は、それぞれの入力信号に対する

出力の和となること意味する。」

「時不変とは、信号xの印加時間をkT秒遅らせれば、出力信号もkT秒遅れるシステムである。」

「一般にディジタル信号処理で対象とする離散時間システムは、線形時不変シシテム( linear time invariant system ) であることが多い。」

シミュレーションで学ぶディジタル信号処理尾知博先生CQ出版p.16私にとって、「小僧の神様」みたいな本です

3.いよいよ、「たたみ込み」の出番ですよ!

さて、この線形時不変システム$\quad \Re $に、上記の任意の離散的信号を入力すると(Tは、サンプリング周期と考えて)

MATH

x(kT)は、これは、時間に関係ないから、$\Re $の外に出せる。

「ここで、単位インパルス$\delta (nT)$を入力とするシステムの応答をh(nT)と、定義しておく。」同書、p.17

MATH

そうすると、このシステムの、時不変の性質から

MATH:「時不変とは、信号xの印加時間をkT秒遅らせれば、出力信号もkT秒遅れるシステムである。」

そやから、(1)式は、こうなる。

MATH

この式で、T=1秒とすると

MATH

この式は、たたみ込みの式、そのものです!凄い!パチパチパチ、拍手!

結局、線形時不変システムに於いては、

任意の入力に対して、インパルス応答とのたたみ込み(convolution)を計算すれば、出力が、得られる


今回は、図がなくて、ごめんなさい m(__)m

H.19.1.25