一石でも、AGCは効く?

1.あくまで、シミュレーションの段階ですが...

シミュレーションの段階ですが、一石でも、充分、AGCが効くし、ゲインもある事を、確認しました。

AGCの最適化を、順を追って見ていきましょう。

条件としては、ドレイン負荷を、共振器にする事です。

これがないと、出力電圧がきれいに、しかも、大きくならないので不可欠です。

それから、ソースの電位は、ゼロにします。

信号入力が大きくなるにつれて、ドレイン電流の動作点がゼロに近くなって行きますから

特に、不都合は、ありません。(ゼロバイアスと、言うのでしょうか?)

 

1-2.AGCの為の負荷の最適化

MATH

10pFを通して、AGCの為の負荷を繋ぎますが、その値の最適値は?

MATH

10K、25k、50kで試してみましたが

AGC電圧を、最も大きく採れたのは、25kΩ付近でした。

よって、25kΩに、設定します。

1-3.AGC電圧のでる所と、グラウンドとの間の抵抗値R5の値は?

MATH

MATH

 

10k,50k,100k,200kで調べてみましたが、

その順番に、AGC電圧が深くなって行きます。

取り敢えず、120kΩで行きます。

ここは、大まかです。

 

MATH

 

 

1-4.ゲートに入れる抵抗値は?

 

ここの抵抗値は、もろに、入力インピーダンスと、なりますので

そんなに小さくできません。

まず、入力を100mVpに固定して

30k,50k,100k,200kで調べました。

MATH

ゲート電圧が、最も下がる(AGCの効果がある)のは、30k、50kΩあたりでした。

大きすぎても、あかんのですね。

しっかし、シミュレーションとは言え、

AGCの、効果的な決め方の理論は、ないもんでしょうか?

1-5.出来上がった回路のAGCの効果を見てみます。

 

入力は、10m,100m,500mVpの3通りで、調べました。

MATH

ゲート電位の変化です。

MATH

ドレイン電流の変化

MATH

100mVで、既に、0mAに達しています。

 

この辺のAGCの効き具合を加減するには、

AGC電圧を抵抗で分圧して、加減します。

ところが、出力電圧の波形は、共振回路のお陰で、きれいになるのです。

MATH

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共振回路が欠かせない理由は、ここにあります。

それから、入力100mVも、500mVも、出力電圧は、ほぼ同じになりました。

1-6.AGCは、直線的に変化するのか?

この実験でのAGCの掛け方を、リバースAGCと、言うのだそうですが

残念ながら、直線的なAGCの掛かり具合には、なりません。

まず、この回路のゲインです。

MATH

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入力のAC電圧の大きさを、50mVpステップで、500mVpから10mVpまで変化して

出力を、AC解析してみました。

MATH

 

500mVから、200mVまで等間隔で、ゲインが下がりますが、

それ以下の大きさの入力では、間隔が、段々と、開いて行きます。

入力信号の大きさが、500mVでも、共振回路のお陰で、きれいな出力を得られますから

これなら、

1μVから、S9+60dBまで、充分対応できるような気がしますが...

2.何故、中間周波増幅は、2段なのか?

これが、今の疑問点です。

1段でも、充分ゲインがとれますし、AGCも効きますので..

考えられる事は

1.ゲインをとるため

    もし、高周波増幅が、ないとしたら、これは、2段の中間周波増幅が、必要と、思います。

    高周波増幅器のゲインを、何らかの理由で、低いゲインに、するとすれば

    やはり、2段必要だと、思います。(これが、理由じゃないかなと、思いますが...)

 

2.一石で、ゲインを多く採ると、増幅器の動作が不安定になる.

    実際に、作ってみれば、それが実感できるかも知れませんね。

 

なにしろ、キットしか、作った事が、ないので、

この辺は、実際に、作って見ないと、わからないのだと、思います。

そんなんで、ぼつぼつ、実践編に進みます。

 

 

p.s    テスタの、電圧と、電流のレンジを間違えて、テスタの電流計を壊してしまった...

そんなんで、FLUKE 45の中古を考慮中ですねん...

H.16.10.12