$\vspace{1pt}$単位インパルス列のフーリエ変換

小暮先生の御著書「なっとくするフーリエ変換講談社」からの引用が、殆どです。

御礼申しあげます。

デルタ関数$\delta (t)$は、$\func{Dirac}(t)$のこと。

MATH

ここで、周期T毎に、デルタ関数$\delta (t)$が並ぶ、単位インパルス列$\delta _{T}(t)$を考える。

このインパルス列は、周期T毎にインパルスが出る。

$\vspace{1pt}$もし、周期T=1なら、こんな感じです。
graphics/dsp70__8.gif

複素フーリエ級数の係数、$C_{n}$を求めるのですが

$\vspace{1pt}$まず

周期MATHの関係があります。

この時、複素フーリエ級数展開の係数$c_{n}$

$\vspace{1pt}$

MATH

$\vspace{1pt}$

$\vspace{1pt}$で、表されます。

$\U{ff11} $周期(MATHの間に含まれるインパルスは、単位インパルス列$\delta _{T}(t)$の内、

$\delta (t)$だけです。

$\vspace{1pt}$

ですので

MATH

は、必ず、$\delta _{T}(t)$$\delta (t)$に置き換えられます。

$\vspace{1pt}$

よって

$\vspace{1pt}$

MATH

と、なります。

係数$c_{n}$を計算してみましょう。

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

$...$

全ての複素フーリエ係数は、$\frac{1}{T}$になります。

よって、

$\vspace{1pt}$

MATH

$\vspace{1pt}$

です。

MATH

MATH

MATH

MATH

例によって、$c_{n}$と、$c_{-n}$の虚部は、打ち消されます。

ですので、n項までの複素フーリエ級数$s_{n}$

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}...$

こんな感じですから、

MATH

$\vspace{1pt}$ここで

MATH

$\vspace{1pt}$

ですから、上式は

$\vspace{1pt}$

MATH

と、なり

$\vspace{1pt}$

フーリエ変換の結果は、周波数軸上に

$w_{0}$の整数倍の所に、やはり、インパルスが並ぶことになりますね

うーん...信じられん....

インパルス1個だけなら、あらゆる周波数を含むと言うのに...訳解らん

$\vspace{1pt}$

2.これは、どう言うことなんやろ

視覚的に、見てみる事にしました。

単位インパルスと、インパルス列を比べてみました。

これには、

「TECHIディジタル信号処理とDSP三上直樹先生CQ出版」付属のソフト

及び

MATH

のぐー様御製作のSPEANAと言う、フリーのソフトを使わせて頂きました。

真に、ありがとうございました。

まず、単位インパルスは、

三上先生御製作の「1.2ウェーブファイルを操作するプログラムの一部を、改造させていただきました。

MATH

かくして、単位インパルスのウェーブファイルを作り、のぐー様のSPEANAソフトで

見てみたのです。

MATH

あれっ?

なーんも、出てない...

これは、単位インパルスを時間ゼロで出して、それから、1秒まで見たものなので

インパルスが、消滅してしまってるのでした。

これは、ウソですね(^_^;;

「peak=0.000Hz -72db」 と、上に書いてあるもの...見えないだけ。

そこで、単位インパルスの時は、ごく僅かの時間だけ録音して、それを観察しました。

MATH

MATH

確かに、どの周波数も一様に、一定のレベルで含んでいます。

音のレベルも低いですね。

しかし、ほんの僅かの時間で、単位インパルスは、消滅してしまうのですね。

次に、インパルス列の場合です。

MATH

わおー、出ました!

MATH

に、あったように、振幅は、しっかり$\quad w_{0}$倍されています。

と、言う事は、単位インパルスが、各時間で発射されて

その時、当然、全周波数が出るのだと、思いますが

(インパルス列の、各単位インパルスの裾野が拡がっているから)

$w_{0}$の整数倍の時だけ、いっきに、振幅が上昇するのだ

と、診ました。

否、

上式からみて、

全ての周波数が$w_{0}$倍されるのだけれども、単位インパルスは

短時間で消滅するから、スペアナでは、$w_{0}$の周波数だけが突出したように

見えるのでは...?

そんな事では、ないかと....

.....

いんや、違う

MATH

時間軸で見ると、各インパルス毎に、全ての周波数が出るのだけども

周波数軸で見ると、右の式のように、

wの整数倍の時にしか、周波数成分は、表れないのだ。

FFTで、裾野が見えるのは、窓とか、時間分解能の関係やろう。

適切な窓、時間分解能があれば、単一スペクトルのはずや。

不思議だが、そうなんにゃ.......