Gnuplotと言うグラフを描くソフトがあります。

(ニュープロットと読むのでしょうか?)

gnuplot for win32から、無料で手に入れることができます。

このソフトは、複素数を係数にもつ関数を描くことが出来る優れものです。

ありがたく使わせていただきます。

 

今、これを使って、複素数を係数にもつエミッタ接地電流増幅率β(common-emitter current gain)の

周波数による変化を描いてみます。

例によって、Trは2sc1815を取り上げます。

今、β0は初期値 180, Ftは 80MHzとします。

この時、βの周波数xによる変化は

 

        F(x) = β0 / (1+j*β0*x/Ft)

で表されます。

xの単位をMHzとすると

        β0*/Ft = 180/80 = 2.25

ですから

        F(x) = 180 / (1 + j*2.25*x)

となります。

さて、gnuplotでは

        複素数 1+2j は {1,2}

と表しますので、

        2.25*j = {0,2.25}

と表されます。

この値をbとします。

        b={0,2.25} 。

従って、F(x)は

        F(x) = 180 / (1 +b*x)

と表されます。

まず、このF(x)の大きさ(magnitude)は、abs(F(x))

ですので、大きさの関数を描画するには、gnuplotのコマンドは

        plot [0:30] abs(F(x))

です。([0:30]は0〜30MHzと言うxの範囲指定です)

次に、βの位相の周波数による変化です。

これは、gnuplotでは

        plot [0:30] arg(F(x))

で描画されます。

βの位相が、このように周波数で変化するという事は、

コレクタ電流は β*Ibで表されましたから

βの位相とベース電流Ibの位相の両方の影響を受けるということになります。