$\vspace{1pt}$1石広帯域アンプーその3(2信号特性の測定)

1.測定の準備

kotai_iki3__2.gif

以上の構成にて、測定しました。

SGの最大出力は$126dB\mu \quad $(100$dB\mu =13dBm$で計算。)

ハイブリッドを通した後の最大出力は、片側で+0.5dBm

ハイブリッドの後で、アッテネータを入れると、便利なんですが、持ち合わせていません。

測定結果の入力レベルは、片側のレベルです。(まさか、両方合わせた2倍のレベルで、プロットするんじゃないでしょうね...)

生まれて初めて、2信号特性を計測するので、なんにも訳がわからなくて...

...

相互変調と混変調の理論については、測定器玉手箱のホームページを参照しました。

http://www.orixrentec.co.jp/tmsite/know/know_konhen30.html

2.信号の純度は問題になるか?

高調波関係を調べてみました。

マイクロソフトのエクセルで計算しました。

値の大きい方から、小さい方を引いています。

kotai_iki3__5.gif

その他

kotai_iki3__6.gif

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最初の表以外に、20MHz付近に相互変調歪の出る周波数は、ありませんでした。

(11次を見逃していました。)

第3次相互調歪の成分に、第2高調波がありますので

純度は、大いに問題になります。

(何故なら

元から、SGの純度のせいで、最初から存在している第2高調波は

アンプの非直線性のために出来たものではないけれども

最初から存在する第2高調波と、元からの基本波が、アンプに入ってきたとして

上記の表から、

この、第2高調波と元の基本波の、いわゆる 第2次相互変調歪(f1-f2、f2-f1)が、

最初の基本波同士の第3次相互変調歪と、同じであるから。

うーっむ、難しい

元の信号の純度は、高ければ高い程よいのですが、

今回は、通常のメーカー製SGを使用しました。

(狭い周波数に限局すれば、自作の方がすぐれている)

混変調も問題になると思います。

基本波より、高調波のほうが、先に飽和することは、ありえないと思いますが

基本波が飽和してからは、問題になると思います。

注、混変調とは?

目的とする周波数信号の振幅が、他の周波数の信号によって、変化させられること

今回の例では

最初は、同じレベルだった2波が

kotai_iki3__8.gif

片一方のレベルだけ上げると

kotai_iki3__9.gif

レベルを変えていない方の信号のレベルが、違ってきています。(今の場合、下がっている)

このことを、いいます。

増幅器の飽和に、原因があると思います。

(実は、私は、よく解っていなかった...)

3.測定結果

MATH

MATH

以上の結果がでました。

インターセプトポイントは+30dBm (すこし、よすぎるのでは...)

Ic=10mAの時の最大出力は、計算では +15.3dBmでした。

(44節 交直流負荷線、最適コレクタ電流 に記載)

このアンプの、20MHz付近のゲインは、

測定では 約23dB。

(45節 1石広帯域アンプ(特性等)その1 に記載)

飽和入力レベル(1dB抑圧点)は、

計算では

+15.3dBm 23dB -7.7dBm

上のグラフと、大体、一致していました。

(計算の仕方は、「トロイダルコア活用百科」p.115 を参照しました。)

大体、一致しています。

しかし、解らないのは

アンプが飽和に達するより、ずっと前に、3rdIMDが既に現れてきている

ことです。

これは、増幅器の非直線性の為でしょうか?

そうだとすると、

もっと低い入力レベルで使わないと、あかんですね。

飽和入力レベル(1dB抑圧点)付近の測定です。

kotai_iki3__14.gif kotai_iki3__15.gif

オシロでは、きれいに見えても

スペアナでは、-40dBに3rdIMDが... 5thIMDも見えてる..

ほんまもんは、-35dBm入力で見てみると

. kotai_iki3__16.gif kotai_iki3__17.gif

うーん、

オシロでは、違いが小さくて解りにくい...

もう一回比較します。

kotai_iki3__18.gif kotai_iki3__19.gif

少し、解りました。

純度が高いピュアなほうは、縦が長い。

純度が低いほうは、頭が潰れています。

しかしですね、

純度が高いピュアなほうも、オシロのレベルを変えると

kotai_iki3__20.gif

こうなって、違いが解らなくなってしまいました...とほほ

kotai_iki3__21.gif kotai_iki3__22.gif

基本波出力と、2次高調波の出力の比較も、やってみましたが

アンプの飽和に達する前でも、

2次高調波の増え方のほうが、基本波の、それより大きいんです。

これも、アンプの非直線性の故なのでしょう...

結構、歪ますね...

1石のアンプでゲインを稼ぐのは、やはり、信号の再現性から

無理なのかも知れません。

交流的にも、帰還を掛けて、1石のゲインを欲張らないのが

よいのかも知れません。

とにかく、よい経験をしました。

精度が低い実験でも、結構楽しかったです。

最後に、この回路をそっくり、シミュレーションしたものを、掲載いたします。

入力を20mV,100mV,200mVp-pの3段階で試しました。

kotai_iki3__23.gif

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FFTの結果です。

kotai_iki3__25.gif
緑が20mVp-p、青が100mVp-p、赤が200mVp-p

H15.01.25

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