ミキサーの基礎 その1

1.1本のダイオードによるミキサ

ミキサーの理論については、「トロイダルコア活用百科」等、多くの書籍に記述されていますので

ここでは、考え方のみ書きます。

一本のダイオードで、ミックスすることができます。

SGは2つ必要。

1つは、ダイオードをスイッチングさせる為のもの(もう一方に比較して、大きな電力)

もう1つは、ミックスされるもの(スイッチングの邪魔をしない程度の電力)

MATH

出力は

MATH

これをFFTすると

MATH

このように、全ての周波数のものが、アッテネートされることなく出力されます。

この辺が、問題です。

出力したいのは、黄色の8MHz または12MHzです。

これを改良したのが、バランストモデュレーターです。

2.バランストモデュレーターにすると、何処がよいのか?

MATH

MATH

ご覧のように

out1、out2とラベルした場所の、電圧の位相が180度違っています。

ですので、ダイオードをスイッチングするための電力成分が、

出力で、相殺されるのです。

MATH

MATH

出力は緑色です。

ご覧のように、ほとんどゼロになっています。

次に、もう一つSGを入れてみましょう。

このSGに対しては、バランスされていません。

MATH

MATH

MATH

ダイオードをスイッチングするための10MHzの成分が、なくなってる.....すばらしい!トレビアン!

この回路を、シングルバランストモデュレータ(SBM))と言います。

ついでに、2MHzの、元の信号も消したい....

ごもっともです。

そのためには、10MHzを消した回路が。そのまま使えるはずです。

MATH

そうなんです。

信号源を取り替えてやれば、よいのです。

MATH

3.ダブルバランストモデュレータ

まず、先ほど、取り替えた回路を、2つ並べます。

2番目の回路のダイオードは、逆向きにして置きます。

MATH

次に、ダイオードの所を変形します。

MATH

最終的に、次の回路になりました。

MATH

MATH

MATH

凄いですね、

2つの信号源は、出力に全く現れません。

偶数次の高調波も消えてる...

誰が考えたのやろ...すごいなあ。

4.能動素子を用いたミキサー

「1.1本のダイオードによるミキサ」 に対応するのが

Tr1個を用いたミキサーです。

Trはスイッチング動作をさせています。

MATH

MATH

MATH

「1.1本のダイオードによるミキサ」と、よく似た結果が出ます。

全ての周波数成分が、出力に現れています。

ですので、

これから、先ほどと同じように、バランス型に発展させることができます。

Trを用いた方法は、スイッチングモードの他に、スクウェアローモードと言うのがありますが

これは、Trを通常動作させて、Trの非直線性を利用してミックスさせているようです。(はっきり解っていないです。)

ですので、Trをスイッチング動作させるものが、主体になる様です。

Trを用いてバランス型にする回路は

差動増幅回路

が、どうやら、そうらしいです。

ギルバートセルと呼ばれる回路は、これを多用しています。

今、調べている所なんですが、理解が、いまいちなので、

もっと理解できてからにします、悔しい....

(参考 「Introduction to Radio Frequency Design Wes Hayward著 p.202-p.260

H15.02.27

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