前回の続きです。
位相比較器は、リファレンスの1周期毎に、位相の比較を行います。
今の場合、位相比較器の出力は、周期毎にゼロになって、すぐに5Vに戻っていますが
(VCOに行くまでに、オペアンプで出力を反転させているためです。)
通常は、その逆で、周期毎に、5Vになり、すぐにゼロにもどります。
1周期 = 2rad (ラジアン)ですから
この1周期の平均は
となります。
従って、この位相比較器のゲインは
と、なります。
(どうも、「ゲイン」という言葉に馴染まない気がして、しかたがないです。)
今は、ラグフィルタのみ、調べます。
伝達関数H(s)は
下のグラフを見ると
poleの位置(s=はー3dB点であり、poleは位相の変極点のようですね。
ラグフィルタのコンデンサの値が、0.1の時の特性です。
破線が位相の推移を表しています。
ラグリードフィルタと違って、位相が戻る事は、ありません。
次に、前回、実験でお見せしましたように
コンデンサの値を、大きく変えてみました。(0.1
Cの値を68 と、大きくすると、
振幅は、1Hz近くから減衰し、
位相も、早くから-90度に達する。
ですので、VCOの出力のスプリアスが減って、きれいになる訳です...
しかし、その一方で
何かの刺激で、ロックがはずれた時の、ずれが大きくなり(1〜2Hz位)、
戻りが遅くなってしまいました。(と、言っても、1秒位ですが)
固定周波数10MHzだから、まだ、いいですが、周波数を動かす設計では、アウトです。
ここで、制御理論に出てくる (私は、全く解りません)
ダンピングファクター
natural frequency
が、登場します。
これは、PLLの別の見方 であって、これがないと、PLLを設計できないと言う訳ではありません。
ただ、周波数を動かした時の、PLLの、安定した状態への、戻りの速さを見るものです。(それだけではないと、当然、思いますが...)
(何もかも、詰め込むから、訳がわからなくなるのです。
それでなくても、わからないのに、ぶつぶつ..)
(参考 *Hayward p.330 「Introduction To Radio Fequency Design」
Phase-Locked loops are often analyzed with regard to "natural frequency and damping factor."
These are parameters akin to those used to describe a second order bandpass filter ,a single resonator.
......The different parameters merely represent the domain in which the system is viewed....... )
知り合いの、電気関係のプロ曰く
「この国では、初歩の理論か、数式を駆使した難しい本か、どっちかしかない」
技術立国なのに、教育しようとしない。
個々人は、優秀な人が多いのに、残念です。.
日本人の私が、何で、英語ばっかり読まんと、アカンの?)
横道に逸れて、失礼いたしました。
H15.04.18
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