Kこれは、1Vあたり、どれ位の周波数が変化するかを示します。
10MHz Xtalモジュール(¥300 @秋月)を実測いたしました所
6.05V 〜 1.71Vの電源電圧の変化で
10.000 075 〜9.999 957 MHZ の変動がありました。
よって、
Hz / V
〔実装したまま、計測しましたので、不正確かも知れません〕
ですので
rad / V
となりました。
位相比較器では、文字通り、位相を比較いたします。
よって、ループで、もどしてやる時
角速度(を、位相に変換しなければなりません。
「56.PLLを理解したい(10MHz標準発振器の場合)その3」1.1で書きましたように
となります。
それを実行すると、1/s と言う項目 が出てきます。
「19. 3cosωt + 4sinωtはどんな波形?」で、書きましたが、
「積分とは、で割る」
と、言うことです。
これは、ラプラスのs (s=で、 の場合に他なりません。
あるいは、
正弦波 を 複素表示すると
でしたから
となり、
積分することは、元の正弦波を で割るとよい事がわかります。
実体は、掴めていないんですが、計算では、そうなります。
それから、ループで帰還をかける時に
N分周しますから
位相も になります。
そんな訳で、
VCOの位相は、分周比Nも含めると
と、なります。
以上で、PLLを構成する要素の、各オープンループゲインが求まりました。
全体のオープンループゲイン Hは、
各要素の積になります。
次に
「55.PLLを理解したい(近傍特性、フィードバック)その2」で、求めましたように
オープンループゲインと、クローズドループゲインの関係は(今の場合、負帰還ですから)
でしたから
(2)式に(1)式の関係を代入してやります。
ここで,ラグフィルタの伝達関数は
なので、これを(3)式に代入すると
こうして、伝達関数H(s)が、求まりました。
「この伝達関数H(s)は、システムが2次の項を持ち、1つの極がVCOに、他方がローパスフィルタに起因している
ことを示している。」
(*Razavi p.280 「RFマイクロエレクトロニクス」黒田監訳 (8.11)改 )
を、ループ利得と言うそうです。
具体的には、今までの計算より
V/rad rad/V
なので
ループ利得は
と求まりました。
VCOの周波数幅が、非常に狭いので、こんな値になります。
ここで、R=1.4KC=0.1と、私は、j実験の時、最初に設定いたしました。
この時、
と、求まります。
赤がC=0.1
[ポールが2つありますので、変極点が2つ、あるようです。〕
(実は、いまだに、ポールの意味が、よく掴めていません。)
もし、R=1.4K、C=68なら
ですので
赤がC=0.1
どうも、C=0.1の方が、わずかですが、減衰が大きいようです。
だとすると、C=0.1の方が、VCOの出力のスプリアスが、減るような気がするのですが
実際は、逆です。???
偏角のほうは、
C=0.1の場合
C=0.1の場合、
, 解は:
マイナス90度位に、収束するようです。
一方、C=68
, 解は:
となり、マイナス172度位に、収束するようです。
どうも、よく解らんですが...
次回、PLL入門の最終回は、ダンピングファクタ、系の自然周波数(natural frequency)で、みて見たいと思います。
H15.04.21
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