前節では、たたみ込み( convolution )の仕方を、おさらいしました。
数式で表現しますと離散的な出力y(n)は、インパルス応答hが、h|1-1|の2つしか、ないとすると
覚え方は、「シグマするのは、インパルス応答の要素数分だけ 」と、いう事になります。(私は、ほんに、忘れやすい性質なんですわ...)
では、この、たたみ込みとは、どんな意味を持つのでしょうか?
この辺りを、触ってみましょう。
それには、先ず、任意の離散的入力信号を、どうやって表現するか?
前節の例で、いきますと、入力xは
でしたから、これを、デルタ
δを、使って表現しますと、入力xが、1つの式に、まとめられます。
だって、単位インパルスは、
なんやから
と、なって、δ(t)の中身がゼロの時だけ、1に、なります。
したがって
一般式にすると
これで、任意の、離散的な入力信号は、上式で表現される事に、なりますね。
この式さえあれば、
離散的な信号やったら、「なんでも来い!」状態に、なりますね!
「線形とは、入力xをa倍すれば、出力yも、a倍され、また、複数の信号を足し合わせて入力しても、出力は、それぞれの入力信号に対する
出力の和となること意味する。」
「時不変とは、信号xの印加時間をkT秒遅らせれば、出力信号もkT秒遅れるシステムである。」
「一般にディジタル信号処理で対象とする離散時間システムは、線形時不変シシテム( linear time invariant system ) であることが多い。」
(シミュレーションで学ぶディジタル信号処理尾知博先生CQ出版p.16私にとって、「小僧の神様」みたいな本です)
さて、この線形時不変システムに、上記の任意の離散的信号を入力すると(Tは、サンプリング周期と考えて)
x(kT)は、これは、時間に関係ないから、の外に出せる。
「ここで、単位インパルスを入力とするシステムの応答をh(nT)と、定義しておく。」(同書、p.17)
そうすると、このシステムの、時不変の性質から
そやから、(1)式は、こうなる。
この式で、T=1秒とすると
この式は、たたみ込みの式、そのものです!凄い!パチパチパチ、拍手!
結局、線形時不変システムに於いては、
任意の入力に対して、インパルス応答とのたたみ込み(convolution)を計算すれば、出力が、得られる!
今回は、図がなくて、ごめんなさい m(__)m
H.19.1.25