Wavelet超入門 その10 近似補間、ムズッ



 1.近似補間、何ぞや


   (出展: ウェーブレット変換の基礎 Yves Nievergelt著 松本先生訳 森北出版 p.89)

    ええっ! ほんまやろか....

    最初の図は、4つのサンプリング点 f(0)=1、f(1)=2,f(2)=3,f(3)=4を、近似補間の式によって、そのまま描いたものです。

    第一、赤で描いたサンプリング点が、ずれてるでは、ないですか......

    近似の式は、k=0 から始まっているので、

    f(0)=S0 φ(0)=1*φ(0) が、必ず ゼロになってしまう....

    これは、上記書籍の続きを読むと、なんとか理解できます。

    x座標軸の、基準点の採り方が違うのです。

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 2.どこに、x座標の基準点を採るか?

    もう一度 DaubechiesD4の図を眺めます。



    私のプログラムで、今、解像度を1024に採っています。(0〜1の間を1024等分しています。)

    すると、赤い点の最初は、(0.6付近)ですが、

    これは、DaubechiesD4の値が、ほぼ1になる点です。

    Octaveで計算してみると

    

    この点は、 x座標が、r0=650/1024(=0.634765625)の位置です。この位置の時、DaubechiesD4の値は、ほとんど、1になります。

    すると、1.5と2の間の位置のx座標は、r0に1を加えたx座標 r1= (650+1024)/1024 の位置になります。

    同じように、2.5と3の間の赤い位置のx座標は r2=(6650+1024*2)/1024の位置になります。

    このr1,r2の時の、DaubechiesD4の値は

    

    と、共に ゼロに近い値になります。

    ですので、この3点 r0,r1,r2     (r1=r0+1,r2=r0+2)

    を基準に採ると、近似補間の式は、

    l(エル)は、整数として、r0からの距離を表し 

  

    となって、l=kのときに限り、f(r0+l)=f(l) に、なります。

    φ(ro)=1以外は、全てゼロになります。 φ(r1)=0、φ(r2)=0 やし、φ(r0+3)=φ(r0+4)= 0

   勿論、r0-1,ro-2  の、x座標では、DaaubechiesD4の値はゼロになります。

   
    これによって、r0の点を基準にして、これから、整数倍の距離の点は、

    限りなく、近似できると、言う事になります。

    実際、最初の図は、近似補間が、ずれていましたから



     これを、r0の距離 650/1024だけ、ずらしてやると、





     見事、近似補間曲線上に、乗ります。

    そういう仕組みやったんか.....なんとなく、解った。

    そんなんで、r0 より小さいx座標の点は、補間できません。 

    
    それから、この方式だけで無く、

    近似式の係数の決め方には、他に、近似平均を採る方法もあります。

    その時、サンプルの両端では、平均が採れなくなりますから、どうするか....

    ゼロ付加する方法、周期性があると仮定する方法、スプラインを利用する方法等です。

    補間に関しては、上記の本が、詳しくて助かります、thanks

H.20.11.17