突然ですが、高周波増幅初段の設計もどき その1

1.前節で、ダイレクトコンバージョン受信機もどきへの道が$\vspace{1pt}$開けました。

 

そんで、実際に、お空の電波を受信して、聞いてみたくなりました。

 

個々のデバイスの動作も、まだ、よく解らん所があるのですが、やってみましょう。

 

Trは、おなじみの2SC1815を使います。

増幅器の帯域を制限すると、NF(ノイズフィギア)が、飛躍的によくなるので、

「これは、いける!」と、感じたのです。

dsp48__2.gif

増幅器の入出力、共に、共振器を使います。

 

2.入力段の設計

 

入力段の設計の前に、増幅器の入力インピーダンスを、測っておきます。

ここで言う、入力インピーダンスとは、Q1のベースでのインピーダンスの事です。( Vb / (Ib(Q1) )。

まず、増幅器の、DC的な、オペーレーションポイントです。

例によって、LinearTechnology社のSwitcherCad3(フリーのスパイス)を使います。

MATH

MATH

エミッタ電流は3.3mA程になりました。

 

ここで、Q1のベースでの、入力インピーダンスを測ります。

AC解析をしておいて、Vb / (Ib(Q1) を計算してもらいました。

MATH

ベースでの、入力インピーダンスは、7MHzで、90〜100$\Omega $になりました。

この入力インピーダンスに合わせて、L−マッチ、共振器を設計します。

MATH

図では、負荷520$\Omega $になってますが、実際の計算は負荷R1=100$\Omega $で計算してみました。

共振器のQ、Qfは、120で計算しています。

Q1の入力インピーダンスに合わせるのは、ノイズマッチでは、ありませんが、

この辺は、後の課題に、致します。

計算は、こんな具合です。

MATH

$R_{1}=100$

$R_{2}=100000$

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

$Q_{f}=120$

$R_{3}=100000$

MATH, 解は: MATH

MATH, 解は: MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

MATH, 解は: MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

アンテナ 50$\Omega $ ー L-match ー 100k$\Omega $ − 共振器 ー 負荷100k$\Omega $ ーL-match − 負荷100$\Omega $

と、変換しました。(100k$\Omega $は、欲張り過ぎましたか...)

MATH

負荷を、R2と、R3に分けているのは

ネットアナで測定しているので、R2で何dBか、計算上知りたいからです。

尚、カップリングのC8,C9、及び共振器のC7と、

Cは全て、エアートリマコンデンサで調べてみました。

MATH

MATH

所で、V(out)の計算値は -9dBです。

では、ここでの電力は、何dBでしょうか?

やはり、-9dBになります。

何故なら、

 

   -9dB=20log V(out)/1=20log V(out)

 

一方

   ここでの電力値は

 

   10log V(out) ^2=20log V(out)=-9dB    (AC入力は 1Vで、負荷は50Ωで、一定だからです。)

 

これで、合ってるでしょうか?

 

では、R2の100Ωの所では、電圧は何dB? 電力は?

 

   R2、R3 共に 50Ωなので、消費電力は同じです。

   従って、

 

     電圧は、6dB上の    -3dB

 

   そしたら、電力の方は、先ほどと、同じ考えで

 

   電力も -3dB

 

と、言うことに,なりませんか? 

 

    電力は、下の抵抗の所では -9dBやったから

  それより、3dB上の -6dBの、ような気もするのですが... 

 

よう、わからん、 (^_^;;

 

これは、上の抵抗での電力は、抵抗値が100Ωだから、違ってくるようです。

 

R=50Ωとすると

 

    入力電力は

 

            1^2/R

 

一方、上の抵抗での電力は、(Vは、下の抵抗での電圧とすると)

 

            (2V)^2/(2R)=2*V^2/R

 

と、下の電力の2倍になります。

 

だから

            10log 出力電力/入力電力 = 10log  ((2*V^2/R) / 1/R) = 10log 2*V^2

 

                                                   =10log 2 + 10log V^2  = 10log 2 + 20log V(=-9dB)

                                                   =ー-5. 9897

 

あれれ、やっぱり -6dBになるではありませんか?

やはり、わからなくなってきました...ふんぎゃあ−ー

 

電圧の変化が 6dBであれば、電力の変化も やはり、6dBであることは、間違いないと思いますが...(抵抗値が同じであれば)

 

(従って、電圧で測定していても、-3dB地点(エネルギーが1/2)で、Qを測定するのは、正しいと思います。

 ですので、-6dB地点(エネルギーが1/4)で計測するのは、別の計測の仕方だと、思います。)

 

 

(ところで、ネットアナのdB値は、電力値です。説明書で、確認済み)

 

 

 

エアートリマコンデンサで、調整すると、同じ周波数でも

色々なQ値を採る事ができます。

MATH

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Qを高く採ると、ロスが増えることがわかります。

しかし、同じ位のロスでも、調整によって、Q=130位、Q=84位に、採る事ができますね...

Q=120位が、いいのかな?

コイルは、アミドンの#6材(黄色)T-50で43回位でした。

この材質では、Qは200超まで、いけるようです。

(アミドン社、トロイダルコアのQカーブ特性表をご覧下さい。「トロイダルコア活用百科」p.394にも出ています。)

エアートリマコンデンサは、フィリップス社のものを使いました。

 

しかしー、いよいよ増幅器と組み合わせようと思って

 

2階建てのユニットを作り、測定してみると、Qが落ちとりました...

空中配線のほうが、Q値がよかった... 

 

 

H.16.6.22

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