突然ですが、高周波増幅初段の設計もどき その2

dsp49__1.gif

1.大間違いでした、電圧dBと電力dBの関係

申し訳ない事ですが、前節での、この関係の記述は、真っ赤なウソです、又、大恥を斯きました 、汗 m(__)m

$\qquad $以下は、大間違いでした...

「所で、V(out)の計算値は -9dBです。

では、ここでの電力は、何dBでしょうか?

やはり、-9dBになります。

何故なら、

-9dB=20log V(out)/1=20log V(out)

一方

ここでの電力値は

10log V(out) ^2=20log V(out)=-9dB (AC入力は 1Vで、負荷は50Ωで、一定だからです。)

これが正しいとすれば、

上の抵抗R3の所の電力値は、 やはり、 マイナス3dB が、正しいことになります。」

1−2.何処が間違っていたのか?

dsp49__3.gif

「所で、V(out)の計算値は -9dBです。」

ここは、宜しいです。

「一方

ここでの電力値は

10log V(out) ^2=20log V(out)=-9dB (AC入力は 1Vで、負荷は50Ωで、一定だからです。)」

ここが間違ってました。

電力は、絶対値で計算しているのですから、R=50$\Omega $は、省略できません。

正しくは

「一方

ここでの電力値は

10logMATH

MATH

MATH

MATHMATH

$\vspace{1pt}$一方、上の抵抗の所での電力は

同様に

MATH

MATH

と、全然、関係無い数値になります、トホホ、ゴメンナチャイ。

 

所で、ノイズ解析に出てくるゲイン(電力の比較の真数)は、入力に対してのゲインなので

AC=1で、あろうが、AC=2で、あろうが、変わりません。

相対値なのです。

ですので、AC=1,2,3と3つの条件で、グラフを描いてみましたが

3つのグラフは、重なって1つに見えます。

dsp49__14.gif

dsp49__15.gif

 

2.正しい関係は?

私は、計算できないのですが、

SwitcherCad3では、ノイズ計算の所で、ゲイン(真数ですが)が、グラフ表示できます。

これのシミュレーションの結果を述べます。

まず、AC解析で、電圧V(out)を計測いたします。

MATH

MATH

この結果によりますと、OUTの所での電圧ゲインは 40dBです。

次に、電力のゲインを調べます。

これは、ノイズ解析の時に、ゲインの項目があります。

MATH

MATH

ゲインは真数ですので、これのdBを計算してもらいました。電力ゲインは 約20dB。

実測は、ネットアナを使いますので、

回路の下の抵抗のOUT2の所を計測します。

ですので、ここも計算しておきます。

MATH

ここ、VOUT2でのゲインは 約10dBになります。

従って、ネットアナでの実測で、10dBと出れば、

上の抵抗の、VOUTの所での電力ゲインは、それより10dB上になりますね。

どうして、負荷の全抵抗値が500$\Omega $かと、言いますと

次のミキサー段のIC(SN16913予定)の、入力インピーダンスが、実測によると、それ位なのです。

予定ですので、変えるかもしれません。

3.フィルター 高周波増幅 の実測

注意する所は、

spiceではAC解析の時、AC電圧=1にとります。(こうすると、電圧ゲインが直読できるからです。)

しかし、実測では、過大な入力をすると、アンプが飽和してしまい、

見かけ上、Qが落ちたような結果になります。

例えば、ネットアナの出力を0dBmとして、計測いたしますと

次の図のようになります。

dsp49__27.gif

これは、アンプの飽和に起因すると思われます。

次に、アッテネータを挿入して、

ネットアナからの入力を-20dBmにいたします。

dsp49__28.gif

これで、正しく計測されました。

ネットアナからの入力がー20dBmで、下の抵抗のVOUT2で、出力がー10dBm。

ここでのゲインが10dBmありますから、負荷抵抗500$\Omega $全体では

それより10dB上の、0dBmの出力となります。(負荷500$\Omega $で)

spiceで設計した計算値と、大体一致いたしました、すごいなあー spiceは。

4.NF(ノイズフィギュア)向上の原因は、何処に?

増幅器前段のフィルタでしょうか?

それとも、増幅器自体でしょうか?

それを調べるために、増幅器をフィルタと切り離してみました。

 

dsp49__31.gif
共振回路のCは、要調整でした。

dsp49__32.gif

増幅器自体で、低いNFが達成されていることが、確認できました。

この回路でのAC解析は

dsp49__33.gif

この程度のQで、

7MHz台では、2SC1815でも、充分実用になるレベルである事を確認できました、うれしいなあ、 ♪♪。

[ この程度のQになる理由は、

コレクタでの共振回路の並列負荷が500$\Omega $と、低いからです。

負荷が、もっと軽かったら、鋭いQになるはずです。]

5.SwitcherCad3での、NFの描かせ方

ノイス解析で、NFの項目は、ありません。

しかし、SwitcherCad3のexamples$\quad \Rightarrow $ educationalのところにNFの例が載っているのです。

dsp49__36.gif

このNoiseFigure.ascを開きますと

dsp49__37.gif

ここに書いてある Func NF(R)を PlotSettingsにコピーしてやれば、よいのです。

dsp49__38.gif

このfunctionは

入力換算電圧を2乗して、抵抗値で割ってあります。

kはボルツマン常数です。

Rは、入力でのインピーダンスです。

これをPlotSettinngsにコピーするのです。

所が、最初、このPlotSettingが、どこにあるのか解らず、難儀しました hi。

回路を書いた後、まず、グラフを描くのです。

そして、フォーカスが回路図にある時、PlotSettingsはみつかりません。

dsp49__39.gif

そこで、描いたグラフにフォーカスを移す(具体的には、グラフのウィンドウをクリックする)と

dsp49__40.gif

PlotSettingsのメニューが表示されます、ああ、しんど....

要するに、通常通り、コレクタに共振回路を置いてやれば(高いQでなくても)

2SC1815でも、いいNFを得る事が解り、ええ気分です....

しかし、今回の2階建ては、失敗です。

ピンはヘッダーピンを使用、これは、いいのですが

受け手のレセクタプルは、ICのソケットを割りましたが

これが、いけません。

接触が悪いのです。グラグラします。

やはり、ヘッダーピンには、ヘッダーピン用のレセクタプルか?

 

H.16.7.5

This document created by Scientific Notebook 4.1. この文書は次の製品で作成しました Scientific Notebook 4.1.