突然ですが、周波数変換回路の検討 その2

 

1.全体の回路

今までの、総合の回路は、以下のようになります。[L-matchの部分は、後ほど訂正します。]

 

セラミックフィルタの部分は、CFU455Bの減衰量が、4dBとの事なので

ダミーとして、1dBのパッド+1stオーダーのBPF(入出力1.5kΩインピーダンス)で、代用してます。

 

ダブルバランストミキサーへの

     局発入力値は、DDSの出力を、3dBのパッドを通して、RMSで 192mVほどです。

    信号入力は、RMSで20mVです。[測定値を訂正致します。BNCコネクタの接触不良! 面目ない。 (T_T) ]

(スペアナは、50オーム入力ですから、そのまま、電圧値が読めます。TR4171使用。)

               

1SS16の代わりは、1SS97を使います。

2.ダブルバランストミキサーの性能は如何?

 

dsp51__3.gif
我ながら、ヘタクソでございますねー。

 

FB801+0.2mmUEWトリファイラー5回巻き。1SS97を使用(非選別)

5回巻きにした理由は、IF出力が、455KHz付近と、低い周波数だから、インダクタンスを稼ぎたかったのです。

 

 

局発入力は、7475KHz RMS192mV

入力ポートには、7020KHz RMS 20mV位

局発のアイソレーションは、約35.6dBを実測。

 

「1SS43はパッケージごとのセレクト品ですが、選別品でない場合には、アイソレーションが数dB悪化します。...」

(トロイダルコア活用百科 p.249-250)

なるほど、その通りになりました...

 

 

で、455KHz出力toと、元の入力、7020KHz 20mVとの比較は、以下の通りです。

 

 

周波数変換損失は、

 

入力の7020KHzと比べて

   

      -21.0dBm − -29.5dBm =8.5dB

 

と、なりました。

 

これは、トロイダルコア活用百科p.249 4-30図にも、ありますように

低い周波数では

 

「1MHz以下で変換損失が増加していますが、これは伝送線路トランスの周波数特性によるものです」(同p.250)

 

 

3.全体のシミュレーション結果は如何?

   

    最初に揚げた、全体の回路で、シミュレーションしてみました。

アンテナ入力は、実際に近くなるように、20マイクロボルトにしました。

局発入力も、現実に近いもの、RMS120mV位に、調整。

 

アンテナ入力と、IF出力の比較

                                           

 

回路全体では、利得がある事が、解ります。

 

3-1.ダブルバランストミキサーの前段への、影響は?

 

   これが、気になります。

なぜなら、

ミキサー入力の波形(Stage1とラベル)、高周波増幅のコレクター部(V_Correctorとラベル)、そして

そのベース部分も、ミキサーの影響を受けているからです。

 

アンテナから、輻射されないか? 受信に影響を及ぼさないか? 心配です。

 

 

 

共に、

    どえらい、変調を、受けていますね..

 

しかし、アンテナ入力部の波形を、見てみますと

.

 

これのFFTは

 

うーん、大丈夫のようですね。

 

これは、

    高周波増幅前段に、共振回路を置いてある、お陰なのだと、思いますわ、よかった...ホッ  (^-^;;

 

3-2 局発入力のポートを変えると、いい事が起こる!

先の実測時は、局発のポートを、以下のように、してました。

 

 

この時、局発入力のアイソレーションは、実測により、33dBちょっとでした。

所が、この、局発のポートを、以下のように変えてやると、

 

 

つまり、局発入力を、IF出力から遠い位置のポートにすると、

アイソレーションが、改善されました。

 

-0.8dBm − -63.3dBm = 62.5dB   

 

と、大きく改善されました。

 

「このDBMのアイソレーションは0.1MHz以下の周波数に対しては、大きくなっていくように見えますが

 これは、周波数が低いために、位相分配器に用いられている伝送線路トランスの、電力伝達が悪くなったために

 生じたもので...」  (トロイダルコア活用百科p.249)

 

が、関係していると思われますが、ともかく、ミキシング動作は、働いてくれています。

 

尚、全ての計測時は、

信号入力は、常に、局発と同時に、ポートを替えて接続したままでの、測定です。

(つまり、あるポートが、オープンになる事は、避けました。)

 

こらあ、ポートを替えた方が、ええですね。

 

高周波増幅段への、局発入力の影響が心配でしたが

シミュレーションの結果では、アンテナ端子に、影響ない模様でした、ひと安心 。

 

「同じ二つのポートの組み合わせでも、どちらを入力端子にするかによって、アイソレーションの値は多少異なります...」

(トロイダルコア活用百科 p.249 )

御意。

4.困ったことになった...

CFU455のダミーとしての 1dBパッド+1stオーダーBPFをL-matchの前段に置いた方が

出力波形が、きれいになるのです...

 

CFU455Bのダミーを、後ろにしたほうが(この方が、位置としては合っている)、

出力波形が、遥かに汚いのです...(BPFは、勿論、入出力インピーダンスを1.5kΩに合わせています。)

 

これやったら、

1stオーダーのBPFを、ミキサーのすぐ後に、入れたら、それでお終いやんか....

CFU455B要らんやんか...

 

どないなっとんの...

 

5.一件落着

   455KHzIFTにマッチさせる為の、L-matchが、最初の回路では、ハイパス型でした

それで、14MHzの成分が乗っていたのでした...

 

ここの、L-matchは、ローパス型のものにすべきでした。

それに、L-matchを再計算してみたら、最初の数値も違っていました、(7MHzで計算していた!455KHzで再計算)、なはは。

 

これで、正しい結果が得られました。

 

 

2ndオーダーだけのフィルタ結果

 

コイル作りを厭わなければ、2ndオーダーのBPFで、良かったかもしれませんね...

 

やれやれ、

後は、LF帯域で働く、700uHのコイルか、マイクロインダクタを探さねば...

 

毎度お騒がせ致しました、 m(__)m

 

6.目の前に、700uHのコイルが、転がっている...

 

   この部分の回路を、見てください

IFTのインダクタンスは657uHです。

 

これやっ!

 

このIFTの、同調のためのキャパシタを潰して、1次側のコイルだけ使ってやれば、よいのです。

振幅特性の形状は、以前と変わりませんが、

最大値の大きさが、4dBほど、改善されました。

  

H.16.9.6

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