サンプリング後の周波数関係は?

1.前節を整理する

f(t)を、周期Tの間隔でサンプリングすると

サンプリングされた波形は

MATH

f(t)と、インパルス列$\delta _{T}$、の積で表される。

ここに

MATHサンプリング周期$)$

周波数軸上での関係は

MATH

これで、

サンプリングされる信号(角速度w)

サンプリングする信号(角速度$w_{0}$

この2つの間の、差を検討すればよい事が解りました。

2.単一周波数(角速度)の波形を、サンプリングすると

71.サンプリング定理の本当の姿とは?(改)に於いて

「5Hzを、

8Hzサンプリング、16Hzサンプリング

した時の比較を行いました。


Figure

赤は5Hzを8Hzでサンプリング、緑は5Hzを16Hzでサンプリングし

振幅の分布を見たものです。

(スペクトルに、広がりは、ありませんが、見やすいので、このように、線で結びました。)

これを、先ほどの周波数軸上での関係

MATH

で、検討すると

1.n=0の時5Hzの元信号が、必ず現れる(必ず含まれている)

2.n=1の時-3Hzの信号(これを、折り返すと3Hzの信号になる)

この関係の周波数が、サンプリング周期毎に、ペアーで出現するのですね。

MATH元信号は、必ず含まれている

ですね。

MATH

この3Hzと、5Hzがペアーで、サンプリング周期毎に出現します。

これは、5Hzを16Hzでサンプリングしても同じです。

(エリアスの出現が、反対に折り返されるけれども)

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

以上の結果から、サンプリングされる波形は

サンプリング周波数の1/2以下で、なくてもよい、のではないか?

と、考えるわけです。

3Hzと、5Hzを分離できさえすれば、OKと考えます。

(現実は無理?じゃあ、80KHzサンプリングで、30KHzと50KHzを分離するのは、どうでしょうか?)

結局、

できる場合もあれば、できない場合もあると、思われます。(尾硲OMが言っておられた通りですね。)

3.帯域を持つ信号のサンプリング

先ほどの5Hzを8Hzでサンプリングする場合

MATH

この5Hzが、ある帯域を持っていたら、どうなるか?

MATH

この信号が、エイリアスと、帯域が重ならないのは、最大で

サンプリング周波数の1/2を中心として+-1Hzの帯域に、なります。

MATH

最大の帯域では、今の場合、もはや、分離不可能ですが、

元の信号に復元するのは、可能では?

(逆フーリエ変換すればよい事は、知ってるが、やり方が、いまんところ、解らん...

71.サンプリング定理の本当の姿とは?(改)

で、サンプリング点が、元の信号のサンプリング点と、一致する事は、確認しています。

ですが、その事と、

元の信号の情報が、完全に復元できている事は、等価なのか?解らん...別物のような気がする...)

 

要するに、私が言いたいのは

 

「帯域が、重なり合わない限り、元信号は、再現できるのか?

 サンプリング周波数が低くても、元信号を忠実に再現できるのか?

つまり、

 

切り刻む周期が長くても、帯域が重ならない限り、元信号を再現できるのでしょうか? 」

 

これに尽きます。

今んところ、解らんのです。

 

71節を、再掲しますと

 

「うまく、表現できないのですが、

 

(時間軸から、周波数軸に移し、再び時間軸に戻して、復元したサンプリング点が

元のサンプリング点と、一致すれば、正しくサンプリングされたことに、なりませんか?)

 

この観点から見ると、「5Hzは8Hzで正しくサンプリングされた」という事になります。

エイリアシングの3Hzの存在が問題となる(原信号にないものがある)とすれば、

どうして、5Hzを16Hzでサンプリングした時に、11Hzが存在する(原信号にない)ことが

問題にならないのでしょう?

 

どちらの場合も、離散化に伴う必然だと、思うのですが....

とにかく、原信号成分は、含まれていることが解りました。」

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帯域が、元信号に対して、もっと狭い場合は、分離可能では、ないでしょうか?

例えば、元信号=50KHz帯域3KHz、サンプリング80KHzの場合

エイリアスは、30KHzで帯域は、同じく3KHzです。

 

この場合、3KHzの帯域を持った50KHzと、エイリアスの30KHzを分離するのは、不可能ではないと、思います。

高次サンプリングで、10倍の周波数を取り出せば

500KHzと、300KHzになりますから、もっと、分離しやすい気がします。

机上の空論に過ぎませぬが....

やはり

できる場合もあれば、できない場合もある

かと....

H.17.2.15