バンド幅の広いバンドパスフィルタの設計

バンド幅が広いバンドパスフィルタを設計します。

バンド幅が広いとは

中心周波数の10% 、もしくは、それより広いバンド幅のバンドパスフィルタのことです。

このバンドパスフィルタは

ローパスフィルタの拡張 で設計できます。

条件は

中心周波数14.2MHz

バンド幅は10%(1.42MHz)

3次バンドパスフィルタ

です。

設計の手順

1.バンド幅(1.42MHz)をカットオフとするローパスフィルタを設計

2.各素子L.,Cに、共振するためのC,Lを追加

です。

1.バンド幅(1.42MHz)をカットオフとするローパスフィルタを設計する。

バンド幅が1.42MHzという事は

14.2-(1.42/2)=13.49MHz 14.2+(1.42/2)=14.91MHz

のエッジを持つバンドパスフィルタです。

MATH

各素子に追加するC,Lは、この周波数$f_{center}$に共振するように追加してやればよいのです。

まず、ローパスフィルタを設計します。

今回は、

パスバンドで、0.1dBのうねりを持ったChebyshev(チェビシェフ)特性で設計してみます。

3次の、ノーマライズされた0.1dBリプルのchebyshev特性のテーブルは

MATH

ここで、$g_{k}$は、ノーマライズされた各素子の値。

ここから

手計算で求めることができます。

参照 [28.実際にButterworth特性のローパスフィルタを計算する]


filter_10__5.png

しかし、今回はNuhertz社のFilter Free3.0 のお世話になります、ハイ。


filter_10__6.png


filter_10__7.png

2.各素子L.,Cに、共振するためのC,Lを追加

先ほどの素子がMATHに共振するように、

CにはLを, LにはCを追加してやればよいのです。

L1(5.781uH)には

MATH

こんな具合に計算します。

しかし、Nuhertz社のFilter Free3.0は、同じ計算の仕方みたいで


filter_10__10.png

手計算と同じ数値の回路ができました...

計算する必要は、なさそうです。

でも、理屈は知っておかないといけません。


filter_10__11.png

次は、同条件でButterworth特性のものです。


filter_10__12.png


filter_10__13.png

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