$\vspace{1pt}$狭帯域BPFmesh type 直列共振型)の設計

1.条件

中心周波数 MHz

帯域幅 200KHz

Butterworth4BPF


filter_12__2.png

filter_12__3.png


filter_12__4.png

2.設計の概要

使用するコイルは、無負荷$Q_{u}=250$ とする。

コンデンサーは無損失とみなす。

50$\Omega $直結とする。

1.の条件のBPFが、果たして実用になるのかどうか、設計してみました。

(名人は、中心周波数の1% の帯域幅のものを作るそうな...

狭帯域BPFも、lowpass filterを基本とします。

今回は、Butterworthタイプのlowpass fiterを基本とします。

Chebychevで作るならば、-3dB点が違って来るので、-3dBになる周波数で正規化してから設計する)

Butterowthならば、-3dB点も1.000に正規化されているので、この必要はない)

4次のButterworth lowpass fiterの正規化された表を掲載します。

MATH

前節の説明のように、

各素子のqをもとめます。(最初$q_{1}$と、最後の$q_{4}$だけが必要です。)

それから、回路の信号源内部抵抗は、フィルタに直列に入るので、qの計算も直列を使う。

正規化されているから

MATH

MATH

そして、各共振回路を結ぶ、normlized coupling coefficient MATHを計算します。

MATH

MATH

MATH

ここで

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

3.逆正規化(denormalize

MATH

負荷Qは次式で逆正規化する。

MATH

そして、回路のQの内、外部抵抗によるもの$Q_{e}$Q external)は

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$信号源の内部抵抗は、50$\Omega $に設定したから

MATHより

$L\U{306f} $

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

続いてMATHを逆正規化する。

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$4.各素子の算出

MATH

$\vspace{1pt}$さきほど

MATH

MATH

と、求まった。

先ず、結合コンデンサの値MATHを求めます。

$Series$の場合

MATH

MATH

MATH

と、計算します。

次にC1を求めるのですが、まず、回路を切り離して、その中で考えるのです。

MATH

$7MHz$に共振するためのコンデンサ$C_{0}$と結合コンデンサ$C_{12}$が、直列になっているので

求める$C_{1}$の値は

MATH

と、計算されます。

$\vspace{1pt}$

次はC2を求めます。

やはり回路を切り離して、その中で考えます。

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

以上で、各素子の値が求まりました。

MATH


filter_12__73.png

ここで、中の結合コンデンサC2,C3を微妙に変えると、波形が、かなり変化します。


filter_12__74.png

0.2pFステップで変えたものです。

かなりシビアです。

調整できるかな??

次に、外のコンデンサC1,C4をいっしょに変化させたものです。


filter_12__75.png

1pF単位で変化させました。

もう、めちゃくちゃですわ。

これも、調整がシビアです。

結合コンデンサは、かなりラフでもOKです。

上記のように、C2C3、それと C1C4の調整は、難しそうです。

書き終えてから、今、気づいたのですが

C2C3のシビアな変化を、拡大する事を思いつきました。

C2の変化を12pF20pFとすると

あるCと30pFを、2つ直列にして

MATH, 解は: MATH

MATH, 解は: MATH

となるから

C28pFの変化が

30pFと直列に60pFのトリマーを入れてやれば

40pFの変化に置き換えられ、5倍拡大されますから

調整が楽になるのでは...

試しに

共振のためのコンデンサの値を大きくするために

Lの値を小さくしてみました。

L=5uH

C2=C3=107.64F

C1=C4=105.94pF

となり、調整が少しだけ楽そうですが、

入出力インピーダンスが7.3$\Omega $あたりとなり

Cによるインピーダンスマッチングが必要。

このためのCも影響してくるが、(これは、含めて計算すればよいのですが)

それよりも、波形がきれいにならない ので、困っています。

Chebyshevもやってみなくては...

次回は、並列共振型をやってみます。

参考 Introduction to Radio Frequency Design p.75~95

This document created by Scientific Notebook 4.1. この文書は次の製品で作成しました Scientific Notebook 4.1.