Filter Basics 4

前回、Butterworth特性2次ローパスフィルタの正規化((normalize)で迷いました。

(実は、殆ど、normalizeできていた...)

2poleローパスフィルタの伝達関数は

MATH

でした。

そして $R=1,L=C=\sqrt{2}$とおくと

その振幅応答MATH

MATH

となり、ここで$\dfrac{1}{2}$という係数が出てきたので

normalizeできていないと、迷ったのです。

実は、この係数$\dfrac{1}{2}$は、フィルタ特性 $H_{0}$と呼ばれており(多分そうだと思う...)

$H_{0}$は、フィルタ利得と呼ばれてます。訂正します、なはは...。

これで、normalizeできているようです。

入力と出力にresistance(抵抗成分)があれば、

フィルタを通した後の最大出力 は、$R_{L}=R_{s}$の時です。

理由は


filter_4__10.png

上図の、normalizeされた2次Butterworth特性ローパスフィルタ回路において

CとLはリアクタンス成分を持っており、このリアクタンス成分は

電流を妨げるから

この回路の最大出力は、リアクタンス成分がない時を考えればよい。

で、今、CとLがないと考えると,$R_{L}$$R_{s}$の直列回路となる。

この時、出力$P_{out}$

MATH

$R_{s}$が一定のとき、$P_{out}$が最大になるのは、$R_{L}=R_{s}$の時です。

もし、MATHとすれば、$P_{out}$のグラフは

MATH
filter_4__21.png

となり、$R_{L}=R_{s}$の時、$P_{out} $が最大になる。

ですから、取り出せる最大出力は、入力の$\dfrac{1}{2}$を越えない。

(電圧は、これより大きくなることも、十分ありますよね。)

この振幅応答MATHのグラフは、

出力電圧が入力電圧の$\dfrac{1}{2}$を0dBとして描かれているのだと思いますが

確信はありません...

正規化(normalize)とは、MATHにすること

余計かもしれませんが、ローパスフィルタに限れば

回路内のCとLの数は、フィルタの次数と一致している

Reflectionを調べてみる

出力抵抗$R_{L}$$R_{L}=1\Omega $の時と$R_{L}=1K\Omega $に変えた時の反射(reflection)を見てみました。

(振幅応答のグラフは、両者全く、同じなので...)


filter_4__31.png


filter_4__32.png

MATHの時

0dBは全反射です。

このグラフをみると、

1rad/secにおいて、-3dBですから、MATH と、約半分の電力が戻ってきたことになります。

その分が出力として、取り出されたということになります。


filter_4__35.png


filter_4__36.png

信号源が$R_{s}=1\Omega $で、負荷が$R_{L}=1K\Omega $の時です。

1rad/secにおいて、MATHと、98%が戻って来たことになります。

そして、通過帯域内に於いても、MATHと、ほとんど、戻ってきています。

振幅応答のグラフの形は同じでも、ローパスフィルタになっていません。

もちろん、1 rad/secで-3dBのバターワースにも...

と言うことは

Xtalのラダーフィルタを作る時、

入出力端の抵抗を色々変えて、きれいな特性が出るようにしていますが

形はともあれ、

かなりのパワーロスを覚悟しなければなりません。

バターワース特性のローパスフィルタを作るために

前節で

ノーマライズされた、n次のButterworth特性のフィルターの周波数特性は

MATH(2)

と表せ、この時のk番目のpoleの位置MATH

MATH

$\omega $kMATH

$\vspace{1pt}$という項目がありました。

これは、半径1の円を描き、この円を2n等分すると、バターワースの極が見つかると言うものです。

これで、n次の時のn個の極の位置がわかります。

そうすると、

MATH

から、伝達関数$H(s)$が求まります。

今、

MATH

と置くと、$p(n,k)$は、n次の時の極の位置を計算してくれます。

$\vspace{1pt}$

MATH

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

便利です。

MATH

ですから

MATH

次は、規格化されたC,Lの値を求めることです。(Rは1と置く)

ありがたい公式があります。

MATH

kはk番目のLかC

ここで

MATH

と定義すると

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

MATH

MATH

MATH

MATH

$\vspace{1pt}$

と言う具合です。
filter_4__73.png

出典

Introduction to Radio Frequency DesignWes Hayward ARRL

トラ技Original No.9 CQ出版社

アナログ & ディジタルフィルタ入門 小野浩司 日刊工業出版社

$\vspace{1pt}$

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