L-network(Lマッチ)をやってみる

トロイダルコア活用百科p101に、よく使われる回路として

Lマッチによるインピーダンス変換が出ています。

「各自で実際に解いてみることをお勧めします。...」と、ありましたので、やってみます。


lmatch__1.png

jX1とjX2がリアクタンス成分です。

赤い線の左が信号源で内部抵抗R1です。

この信号源側から見て、赤い線の右側(負荷)が、内部抵抗R1と同じ値であれば

マッチングがとれており、「電力は損失無く伝達されます。」

(ここんとこは、チョットひっかかる...

最大入力の$\dfrac{1}{2}$以上、伝達されないはずや、ブツブツ...

それに、抵抗値が違うから、どないなんねやろう?

計算してみましょう

さて、赤線の右側の合成インピーダンスを計算して、

これが、sourceの内部抵抗R1と同じであれば、「よいはづ」です。

(「よいはず」を「よいはづ」と書いてしまう..

.関西人は「ず」と「づ」の区別がつかないんです...

文章にすると、さすがに変な気がしますが..)

jX2とR2の合成リアクタンスY(インピーダンスの逆数)は

MATH

だから、全インピーダンス$Z_{T}$

MATH

MATH(1)

(1)式の値が、内部抵抗R1に等しいとすると

MATH(2)

(2)式の実部と、虚部を比較して

MATH(3)

MATH(4)

(4)式より

MATH

これより

MATH(5)

と求まる。

(3)式を変形すると

MATH

MATH

MATH(6)

と求まった。

ここで

MATH(普通のQとは、意味が違うなあ)

とおくと

$X_{1}=\pm QR_{1}$

MATH

と表される。

$X_{1}$$X_{2}$は、符号が逆になる。

ということは

一方がインダクタンスであれば、もう一方はキャパシタンス。

逆もありえる。

ルート内が負($R_{1}>R_{2}$ )になるときは

$R_{1}$$R_{2}$を入れ替えて、ルート内が常に正になるように

回路を逆にする。(可逆性があるから)

実際に計算してみましょう

トロイダルコア活用百科p107に

DualGate MOSFETプリアンプの例が載っています。
lmatch__23.png

この図の抵抗47k$\Omega $は、無入力時のゲートの電位をゼロにするため

と思われます。

MATHに比べて、十分大きい値で、回路に影響ないと思います。

(まだ、よく解りません、トホホ)

アンテナ入力インピーダンスが50$\Omega $

そしてDualGate MOSFETの$\Gamma _{opt}$が3K$\Omega $と書いてあります。

計算してみましょう。

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

MATH

R2の端子電圧の14.2MHzでの波形です。

47k$\Omega $を取り外しても、同じ波形です。

緑が、負荷、青が電源。

MATH

MATH

MATH

このグラフを見ると、14.2MHzで、ゲインが12dBもありますから、

やはり、Qと言う命名は正しかった...

電力伝達は小さくても、電圧のゲインが大きいのでは..

にわか知識では、まだまだ....

気を取り直して、もう一回調べる

上記の回路で、電力の関係を調べてみました。

入力は

MATH

出力は

MATH

で計算されるはずです。


lmatch__47.png

14,2MHz辺りを拡大しました。


lmatch__48.png

うーっむ、設計周波数(14.2MHz)で、

入力=出力

と、なってます。

結局、電力は損失が全くなく、伝達されました。

ここから以降は、大間違いですので、

どうぞ、無視してください。

理由は,次節(30)で説明します。

これは、例によって、あれでしょう。

最大出力は、最大入力の$\dfrac{1}{2}$を越えない

で、今、抵抗成分自体は整合してないから

入出力の比が、1になったのでしょう。

負荷$R\U{ff12} $が大きければ、大きいほど、その比が1に近づくのです

(前節27「整合は必要か?」を参照ください)

とにかく、

このインピーダンス変換の回路で

電力は損失なく、伝達されました。

それやったら、

最初から抵抗だけで分圧回路を構成したら、よいようなものですが

それだと、

電圧の上昇は望めないし

周波数の選択性もないから

やっぱりNG ですね...

この回路の素晴らしい所は

電力損失無く、インピーダンス変換できて

電圧の上昇があって、周波数選択性もある

ということですね

なるほどです。

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