前回、ラティスフィルタの原理を探りました。
シミュレーションは、以下のようになり、実測と一致しました。
シミュレーション結果
実測
この波形では、使い物になりません。
まず、通過帯域を決めるものはなにか?
これを探ります。
シミュレーションの結果から
水晶と直列にしたトリマーコンデンサーが、これを決定することが解りました。
緑がトリマコンデンサが10p、青が50p、赤が100pです。
やはり、シミュレーションの結果
Xtalの直列共振周波数の差が、これを決めることが解りました。
C1と書いてあるXtal1(24.541fF)に対して、C2と書いてあるXtal2の、等価回路中の直列のCmの値を24.54fF、24.53fF 24.51fFと変化
させた結果です。
ご覧のように、XtalのCmの差が大きくなると、対称の形に近くなることが解ります。
青の形に、するとすれば(Lmの値が同じと仮定すると)
, 解は:
, 解は:
より、共振周波数が
3KHz離れた水晶を用意すればよいことになります。
うーん...
手元には1KHz離れたものがありましたので、これを使って実測しました。
拡大します。
しかし、非対称でよいなら、同じ直列共振周波数のXtalを4つ使って製作できます。
同じ直列共振周波数のXtalを使って、フィルタをできるだけ対称にするには
1つのXtalの並列容量をCで取り去って、それを並列接続(cascade)します。(double tuned
circuit)
3KHz離れたXtalを2対用意できれば、ハーフラティス2段が構成できます。(同じ共振周波数のものでもよい )
シミュレーションしかできませんが...
4段のChebychevタイプ(0.1dBリプル)のラダーフィルタと比べてみました。どうでしょう...
拡大します。
ハーフラティス2段 Chebychev(0.1dBリプル)ラダー4段
それから、音質に影響のある群遅延をみてみると 、こうなります。