ミキサーの理論については、「トロイダルコア活用百科」等、多くの書籍に記述されていますので
ここでは、考え方のみ書きます。
一本のダイオードで、ミックスすることができます。
SGは2つ必要。
1つは、ダイオードをスイッチングさせる為のもの(もう一方に比較して、大きな電力)
もう1つは、ミックスされるもの(スイッチングの邪魔をしない程度の電力)
出力は
これをFFTすると
このように、全ての周波数のものが、アッテネートされることなく出力されます。
この辺が、問題です。
出力したいのは、黄色の8MHz または12MHzです。
これを改良したのが、バランストモデュレーターです。
ご覧のように
out1、out2とラベルした場所の、電圧の位相が180度違っています。
ですので、ダイオードをスイッチングするための電力成分が、
出力で、相殺されるのです。
出力は緑色です。
ご覧のように、ほとんどゼロになっています。
次に、もう一つSGを入れてみましょう。
このSGに対しては、バランスされていません。
ダイオードをスイッチングするための10MHzの成分が、なくなってる.....すばらしい!トレビアン!
この回路を、シングルバランストモデュレータ(SBM))と言います。
ついでに、2MHzの、元の信号も消したい....
ごもっともです。
そのためには、10MHzを消した回路が。そのまま使えるはずです。
そうなんです。
信号源を取り替えてやれば、よいのです。
まず、先ほど、取り替えた回路を、2つ並べます。
2番目の回路のダイオードは、逆向きにして置きます。
次に、ダイオードの所を変形します。
最終的に、次の回路になりました。
凄いですね、
2つの信号源は、出力に全く現れません。
偶数次の高調波も消えてる...
誰が考えたのやろ...すごいなあ。
「1.1本のダイオードによるミキサ」 に対応するのが
Tr1個を用いたミキサーです。
Trはスイッチング動作をさせています。
「1.1本のダイオードによるミキサ」と、よく似た結果が出ます。
全ての周波数成分が、出力に現れています。
ですので、
これから、先ほどと同じように、バランス型に発展させることができます。
Trを用いた方法は、スイッチングモードの他に、スクウェアローモードと言うのがありますが
これは、Trを通常動作させて、Trの非直線性を利用してミックスさせているようです。(はっきり解っていないです。)
ですので、Trをスイッチング動作させるものが、主体になる様です。
Trを用いてバランス型にする回路は
が、どうやら、そうらしいです。
ギルバートセルと呼ばれる回路は、これを多用しています。
今、調べている所なんですが、理解が、いまいちなので、
もっと理解できてからにします、悔しい....
(参考 「Introduction to Radio Frequency Design Wes Hayward著 p.202-p.260 )
H15.02.27
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