Wavelet超入門 その3 再び、階段状波形

 1.おさらい

    前々節では、階段状波形が、基本スケーリング関数 φ(t)の時間を1/4にした4つの関数

 

 

    によって、

                     

    と、表現される事が解りました。

    そして

          phai(t) = phai(2t) + phai(2t-1)

          psi(t)    = phai(2t) -phai(2t-1)

    なる関数 φ(t)、ψ(t)を定義して

    上式より t ->2t  t-> 2t+1 を代入し

         phai(2t) = phai(4t) + phai(4t-1)

         psi(2t)    = phai(4t) -phai(4t-1)


         phai(2t-1) = phai(4t-2) + phai(4t-3)

         psi(2t-1)    = phai(4t-2) -phai(4t-3)

        これら4つの関係式から

         phai(4t)     = ( phai(2t) + psi(2t) )/2

                    phai(4t-1)  = ( phai(2t) -psi(2t) )/2 

                    phai(4t-2)  = ( (phai(2t-1) + psi(2t-1) )/2
                
                    phai(4t-3)  = ( (phai(2t-1) - psi(2t-1) )/2

    を代入して、最終的に (ちょっと、省略)

         x(t) =19/4 phai(t) + 1/4psi(t) +(-3)psi(2t) +3/2psi(2t-1)

      と、変形できました。 

    そして、これが、元の階段状波形と同じ波形である事を、確認しました。

          

    これは、x(t)を、それぞれが直交する関数、 スケーリング関数phai(t)と、ウェーブレット psi(t)、psi(2t)、psi(2t-1)で表現したものです。

    何で、これらが、それぞれ、直交しているかは、井澤先生のページをご覧下さい。(尚、私の使ったwavletsは、正規化されていません。)

         
 2.逆変換は、どうなん?

    これは、変換されたx(t)を、元のphai関数で表現してやる事に、あたります。

        元のphai関数で表現されたx(t)の、それぞれの係数を s1,s2,s3,s4 と、すると

      x(t)=s1phai(4t) + s2phai(4t-1) + s3phai(4t-2) +s4phai(4t-3)

    スケーリング関数phaiと、waveltsで表現されたものの係数を c00, c10,c20, c22 と、すると

      x(t)= c00phai(t) + c10psi(t) + c20psi(2t) +c22psi(2t-1)

    に、なりますが、両式の係数を計算すると

    c00= (s1+s2+s3+s4)/4

         c10= (s1+s2-(s3+s4) )/4

         c20=(s1-s2)/2

         c22=(s3-s4)/2

        この関係を s1,s2,s3,s4 について解くと



    の、関係があります。

    ここで、スケーリング関数とwavletsで表現された式では、



    でしたから、

    こうして、c00等の係数を確定してから、もう一度先ほどの方程式を解くと



    と、求まり、元のx(t)が再現されました。

      x(t)=2phai(4t) + 8phai(4t-1) + 6phai(4t-2) +3phai(4t-3)

    目出度し、目出度し。

 3.scaling関数の、こんな表現もある


     但し、
       

    
    なんじゃ、こりゃ!

 
            n=k=0 は、基本step関数

  
           基本step関数の半分の周期                                左図を 1/2だけ、ずらしたもの

    ありり! 基本step関数の周期を半分にした関数は、振幅が1に、ならない......

    実は、この原因が解らなくて、1週間、あちこち、彷徨ったのであります。

    関数の直交性の他に、正規化が必要らしい事が、解ってきました。

    大体やね、ヴェクトルの正規化、直交性も、よう知らんのに、関数の正規化、直交性は、ちと、難しかった.... 次回に。

        ヴェクトル.....日欧チャンポンの造語やね。ヴェクターの方が、それらしいかな... vector

H.20.9.30